前置き
大学3・4年生は就活で忙しくなる。就活生は、ES(エントリーシート)・適性試験といったステージをクリアした後、複数回に及ぶ面接またはGD(グループディスカッション)という関門に突入することになる。私のような陰キャに厳しい。そのような関門を突破することで、ようやく内定がもらえるのだ。
この記事で紹介する「サツリクルート」の主人公カズヤは、上記の適性試験や面接、GDにて他の就活生および人事等と戦っていくのだが、彼は持ち前の知識と対応力だけを武器にするのではなく、悪魔から授けられた能力も使用して内定を得ようとする。それは、自分または他人の直前の発言を一つだけ消す「消失(デリート)」という能力であった。
例えば、彼が「私の強みは⚪︎⚪︎です」と言った後に何か失言をしてしまったとする。そこで、能力を使ってその失言を消失すると、彼以外の者は消失された発言(ここでは失言)についての記憶を失くし、実質的に失言前の状態にすることができる。
この能力を悪魔から得た代償として、一度エントリーした企業から内定を貰えなければ死が訪れる。つまり、彼は文字通り一生懸命就活をしているのだ。そんな業を背負った主人公カズヤの活躍を描いた「サツリクルート」を、読者の皆様におすすめしたい。
あらすじ
内定取れなかったら即・死・亡!
巨大財閥に支配された時代ーーー
就職活動はさらに厳しさを増していた…!
そんな中、没落した財閥の御曹司・蓼丸カズヤが巻き込まれたのは、悪魔たちのゲーム。それは就職活動で落ちたら即死亡、というデスゲームだった…!
おすすめポイント
能力を使った頭脳戦
彼の能力は一見便利そうだが、その使用回数には制限がある。そのため、何度も自分の発言を消失して、面接官に対して完璧な回答をするといったことはできない。また、不便な点もいくつかある(ここでは省略するが)。
それを踏まえた上で、どのように面接官と対峙するか。また、どのように他の能力者と戦っていくのかが見ものである。彼よりも凄い能力をもった者を、彼はどう翻弄するのか...。
珍しいテーマ
就活バトル漫画といった稀有なジャンルに分類されるこの漫画は、他の漫画にはない戦い方を描写している。面接やGDのほかにも、様々な場面で頭脳戦が繰り広げられるため、マンネリ化する恐れもない。
テンポが良い
話のテンポが良く、とても読みやすいのもおすすめ。過剰な回想・心の中の描写などでグダった印象はない。1話通して結局話が進まなかったといったこともなかったと思う。
所々にある笑い所
テーマからしてシリアスな漫画かと思われそうだが、時々ギャグシーンが挟まれる。シリアス続きだと胃もたれするといった人にもおすすめだ。
終盤で化ける
この漫画は、終盤になると新たな展開を迎える...。そのため、ぜひ中盤から先も読んでみて欲しい。
まとめ
サツリクルートは全7巻で、小学館公式アプリ「マンガワン」からも読める(3話以降、閲覧時にライフという無料アイテムが必要)。気になった方は、ぜひマンガワンから読んでみて、気に入ったら単行本を買ってみて欲しい。