アサンカの庭

感想やら検証やら色々

MENU

【少年ジャンプ+】漫画『仁義なき吉田家』感想

1. 作品の詳細

 『仁義なき吉田家』は、集英社が配信するアプリ「少年ジャンプ+」にて連載されていた、全12話の漫画である。

 

 作者は、同じく「少年ジャンプ+」の連載作品である『ホウキにまたがる就活戦争』を手がけた、江戸川治先生。

 

 「少年ジャンプ+」にて、3話まではコイン無しで、4話以降は30ボーナスコインを用いることで無料で閲覧可能(ボーナスコインとは、「少年ジャンプ+」内で通貨のような役割を果たすアイテム。動画広告を見たり、ジャンケンをしたりすることで無料で獲得可能、ただし上限付き)。 

 

 単行本は全2巻出ている。

 

2. あらすじ

 運転中に、敵対していた神保組に襲撃された集英組(ヤクザ)の若頭「鬼島涼」と組長「漢田大五郎」。

 

 その際に鬼島と漢田は誤って、小学生の吉田守と、弟の吉田未来(赤ん坊)を轢き殺してしまう。

 

 後に鬼島と漢田も死亡してしまうが魂は消滅せず、鬼島の魂が吉田守の身体に、漢田の魂が吉田未来の身体に、それぞれ入ることに(守と未来の魂は消滅)。

 

 こうして彼らは新たな人生を歩むことになった。

 

 しかし、吉田家は、常に酒を飲んで酔っ払っている無職の父に、カルト宗教にハマって性格が変わってしまった母、学校にもいかずに男遊びを繰り返す姉に、学校で悪質ないじめを受けている本来の守...と、未来を除いた家族全員が問題を抱えていた。

 

 そのような崩壊寸前の吉田家を、生まれ変わった守と未来が救い、腐った世の中を立て直す...。

 

3.感想

 6年ぐらい前に、結構ハマっていた作品。いわゆる「なろう系」の漫画。

 

 主人公・守(鬼島)が、その腕っぷしの強さにモノを言わせて、様々な問題を解決していく所が爽快。未来(漢田)も時々活躍する。

 

 また、途中から敵対していた組の若頭が相手になったり...とか、物語が本筋から逸れることは全くなく、テーマである「崩壊寸前の吉田家の救済」が最初から最後まで描かれていたことから、話の構成は完璧だと思った。

 

 他にも、人の行いにはそれぞれ事情があるといった考えが読み取れるようだった(『鬼滅の刃』や『王様ランキング』などの様に)。

 

 本来の吉田守と吉田未来が作中であまり偲ばれないことに”もやっ”としたが、それは些細なことかもしれない。

 

 『雪見DAIFUKU』同様、アプリ内で検索しない限り読者の目に留まらないのが惜しいが、逆に「隠れた名作」とも言い表せるだろう。